私達のウェブサイトにお越しいただき、ありがとうございます。

20世紀末に登場した「ゲノム編集」は、簡便で効率の良い手法「CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)」が2012年に開発されたことにより、瞬く間に利用が広がりつつあります。農業面では、私たちの食を支える「品種」(例えば、コシヒカリ、ふじ、シャインマスカットなど)を開発する時間とコストを大幅に減らすことができ、さまざまな強みや良さを持った「品種」が提供されるようになると期待されています。
(追記:CRISPR/Cas9開発の功績に対して、2020年ノーベル化学賞が女性研究者2人に授与されました。)

しかし、その技術の進歩が速いだけに、「ゲノム編集」とはどういうものかまだよく分からない、何となく不安、という方も多いのではないでしょうか? 「遺伝子組換え」とどこが違うの?という疑問を持たれる方もいると思います。そもそも、いつも何気なく食べている農作物の「品種」がどうやって作られてきたか、あまり知られていないかもしれません。

このウェブサイトは、そういった声にお応えするために作られました。
特に、一般の方に情報を伝える役割を担うメディアの方々、若い世代に知を継承する教育関係の方々、農作物や製品を通じて消費者へ価値を届ける生産・加工・流通などの産業界の方々などに、ゲノム編集とそれに関連する情報をより良く知って頂こうという思いで準備を進めてきました。もちろん、一般の方々に直接ご覧いただいても、いろいろな疑問を解消して、ゲノム編集について考えて頂くきっかけとなるようなウェブサイトを目指しています。

私たちは、この新しい技術が持つ大きな可能性と、それを利用していく際に必要な安全性などの注意点をバランスよく考えながら、皆さんと共に明日の食と農を創っていきたいと願っています。21世紀、令和の時代を生きる私たちは、さまざまな技術を活用しその恩恵を受けながら生活していますが、このゲノム編集が、よく知られないままに不安だけが広がっていくようなことがもしあれば、それは大変もったいないことだと思います。この新しい技術をより良く利用していく一助として、このウェブサイトがお役に立てば幸いです。

このウェブサイトの準備にご尽力頂いた多くの関係者に、この場を借りて感謝いたします。まだまだ不十分なところが多いウェブサイトですが、今後ブラッシュアップを重ねていきたいと考えていますので、ぜひ利用された皆さんのお声を聞かせて下さい。今後ともご支援を頂けますよう、お願いいたします。

 

最新育種ネットワーク 代表
高原 学
(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)