掲載日:2023.1.19

概要

英国において科学が身近で価値あるものになるような社会づくりを目指ASDCは、14-18歳の生徒を対象にDNA抽出やPCR、電気泳動など体験を通じて、科学への理解・関心を高める活動ています 

詳細

ASDCAssociation for Science and Discovery Centres)は、英国で科学教育に携わる60以上の団体・組織で構成されたネットワークです。科学がすべての人にとって身近で価値のある社会づくりを目指し、一般市民の科学への参加を促すためのさまざまな活動を行っています。 

活動のひとつとして、2011年と2012年に英国内の科学センター、博物館、大学が協力した国家プロジェクトHands-on DNAという、14-18歳の生徒が実践的に分子生物学を体験できるワークショップが行われました。

ワークショップでは、細菌の進化のしくみや抗生物質耐性の細菌がどのように増殖するのか、参加者自身のDNAの抽出、PCR、電気泳動などを使用した味覚に関わる遺伝子の調査などの体験が行われました。 

参加した生徒1,514名と教員147名にワークショップの評価を聞いたところ、およそ90%の生徒が科学への関心・理解の高まりを感じたと評価しています。さらに、ワークショップに参加した生徒は科学を学ぶモチベーションが高まっており、科学分野へキャリアを検討する学生が増えていると報告されています。 

他にも、天体を学ぶワークショップや食品について家族と会話するプログラムなど、さまざまな体験を通じて科学への関心・理解を高めるため、ASDCでは英国市民が科学へ参加しやすい場を提供しています。 

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  • 著者: 山口 富子(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科 教授)
  • 編集協力: 石井 花菜(国際基督教大学)/農研機構 企画戦略本部新技術対策課