掲載日:2023.7.25
概要
CRISPRconは、研究者が企画するゲノム編集技術をテーマとした対話形式のフォーラムです。研究者、消費者団体、環境保全団体などの様々なステークホルダーがパネリストとして登壇し、ゲノム編集技術の未来について自らの考えを表明し、議論が行われました。一般市民や産業、メディアなどからの参加者により、パネリストとの質疑応答、オンライン投票が実施され、自身のCRISPRに対する価値観を共有しました。
詳細
CRISPRconは、CRISPRと関連するゲノム編集技術について、市民やステークホルダーが理解を深めるためのフォーラムです。
米国カリフォルニア大学バークレー校やブロード研究所、またオランダのワーゲニンゲン大学など、バイオテクノロジー研究をリードする研究機関の研究者らが計画し、非営利団体であるKeystone Policy Centerが運営しています。
『技術による影響を受ける人の声を幅広く聞くというプロセスが大切』というビジョンのもと、研究開発の早い段階から、対話を通して、ゲノム編集技術の利用が社会とどのように関わるのかを、数日間にわたり議論します。
本フォーラムは2017年から2021年にかけて過去5回、開催されました。
フォーラムでは、ゲノム編集技術の研究者、消費者団体、患者団体、生産者、倫理や宗教の専門家などがパネリストとして登壇し、ゲノム編集技術の未来について自らの考えを表明し、議論が行われました。市民との信頼醸成、科学教育やアウトリーチ、持続可能な農業のためのゲノム編集育種、技術評価、パブリック・エンゲージメント等のトピックが取り上げられました。2017年(初回)のフォーラムでは、学界、市民社会、政府関係者、産業、メディア、一般市民など約300人が参加しました。
参加者はパネリストとの質疑応答やオンライン投票を行い、自身の価値観(希望や懸念点など)の共有を行いました。2020年には、COVID-19の検査と治療における遺伝子編集の役割、人種格差と不公平、気候変動に対処する戦略、その他の緊急課題を探る一連の議論が行われました。
▶関連サイト
- 著者: 山口 富子(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科 教授)
- 編集協力: 石井 花菜(国際基督教大学)/農研機構企画戦略本部新技術対策課