ゲノム編集学会:2019.6.10【ロシア研究者のヒト受精卵を使ったゲノム編集の臨床応用の計画に関する国際共同声明】

日本ゲノム編集学会(JSGE)は、6月10日付のNature誌のNEWSで発表された「ロシア研究者のゲノム編集の臨床応用について計画」について、the Association for Responsible Research and Innovation in Genome Editing (ARRIGE)およびthe Genome Writers Guild (GWG) との共同声明を公開しました(以下、日本語訳抜粋)。

「ロシアの分子生物学者Denis Rebrikov氏が、ヒトの受精卵に対してゲノム編集技術をもちいてCCR5遺伝子を破壊したのち、その受精卵をHIVに感染した女性の子宮内に移植することを、今年の暮れに計画しているとの報道がありました。–(途中略)–中国人の科学者により、倫理的な議論や国際的な合意もないままにヒトの受精卵に対する始めてのゲノム編集が実施されたという報告に続く本報道に、我々は強い衝撃を受けています。–(途中略)– CRISPR-Casを用いた革新的なゲノム編集技術は、人類に対して多大な利益と新たな疾患の治療法をもたらす大きな可能性を秘めています。一方で、十分な議論が尽くされないうちにこれら技術の乱用をすることは、人々の不安や不信を募らせるだけです。我々はヒトに対して安全性の確保もないまま拙速に、そして不可逆的にこれらの技術を適応しようとする全ての試みに対して、強く反対することを表明します。」

詳しくは、http://jsgedit.jp/news/info1/972.html