フィリピンが、ゲノム編集植物の規則を公表
2022年5月19日、フィリピン農務省(Philippine Department of Agriculture)は、植物育種イノベーション(PBI)1)の製品を評価するための規則と手順を公表しました。
PBIのうち、「現代のバイオテクノロジー技術を利用し、従来育種では不可能であった新しい遺伝物質の組合せを有する製品」は遺伝子組換え生物として、規制対象となりました。
一方、「最終的に新しい遺伝物質の組合せが含まれていない製品」は、従来の製品と同じとみなされ、規制対象外となりました。
開発者は、PBI製品の評価、規制対象の判断を相談するため、植物産業局(Bureau of Plant Industry)に情報2)を提出し、手続きを行うこととなっています。
PBI製品が規制対象外と判断された場合には、開発者に証明書が送付され、結果がウェブサイトにて公表されます。
用語解説
1) 植物育種イノベーション(Plant Breeding Innovations=PBI)とは、人工ヌクレアーゼ等を用いて、従来の植物育種技術よりも迅速かつ正確に、望む形質や特性を持つ新品種の作物を効率的に開発することです。遺伝子組換え技術やゲノム編集技術など広く包括しています。
2)植物産業局へ提出する情報は、開発者やPBI製品の情報、PBIを行う目的や利用した技術の詳細、移入した遺伝物質の情報など。
詳細については、以下の参考資料をご覧ください。
参考資料
・USDA Foreign Agricultural Service, Philippines: Genome Edited Plant Regulations Published (英文)
・ISAAA, Philippines Releases Regulations for Gene-edited Plants(英文)
※フィリピンが公表した情報は、上記のサイトからPDFがダウンロードできます。
関連リンク
- 著者:森山 力(農研機構)
- 指導:立川 雅司(東海国立大学機構名古屋大学)
- 編集協力者:農研機構企画戦略本部新技術対策課