ゲノム編集により作出された「ワキシートウモロコシ」が厚生労働省と農林水産省に届出・情報提供されました

2023年3月20日、コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社によって、PH1V69 CRISPR-Cas9 ワキシートウモロコシが、ゲノム編集技術を応用した食品として主務官庁の厚生労働省へ届出されました。また、農林水産省にもゲノム編集技術の利用により得られた生物および飼料として、情報提供・届出が行われました。

届出に先立ち、担当する省庁との事前相談が行われ、アレルゲンや毒性物質が新たに生じていないことなど、安全性の確認も行われています。

ゲノム編集食品の届出としては4例目、穀物としては1例目になります。厚生労働省に届出された情報によれば、流通が開始する時期は未定です。

ワキシートウモロコシとは

届出された生物の概要

PH1V69 CRISPR-Cas9 ワキシートウモロコシ(以下、本ワキシートウモロコシ)は、子実デンプンのアミロペクチン含有量が増加したトウモロコシ(英名: corn 及び maize、学名: Zea mays subsp. mays (L.) Iltis)です。本ワキシートウモロコシは、デントトウモロコシの近交系品種 PH1V69 系統の Wx1 遺伝子を、ゲノム編集技術を用いて欠失させることにより作出されました。

従来育種によって作出されたワキシートウモロコシは既に日本、中国及び米国等で栽培されており、子実がコーンスターチに加工され、主に食用及び工業用に利用されています。

本ワキシートウモロコシの予定されている用途は、従来のワキシートウモロコシの用途と違いがありません。

(厚生労働省 公開届出情報から引用)

  • 開発者等
    パイオニア・ハイブレッド・インターナショナル社
  • 届出された生物の名称
    PH1V69 CRISPR-Cas9 ワキシートウモロコシ
  • 上市年月
    上市は未定

国内のゲノム編集生物の取扱いについて

ゲノム編集生物は、生物多様性への影響および食品の安全性の観点から環境省、厚生労働省がそれぞれ規制上の取扱いを決めています。

環境省から2019年2月に発表された「ゲノム編集技術の利用により得られた生物であってカルタヘナ法に規定された「遺伝子組換え生物等」に該当しない生物の取扱いについて」を受けて、農林水産省は「ゲノム編集生物の取扱い」について制度を定めました。また、厚生労働省は、食品衛生法に基づき「ゲノム編集技術応用食品の取扱い」に関する制度を定め、同年10月から制度が運用されています。

 


ワキシートウモロコシとは

ワックスで塗ったようなつやのある種子(穀粒)をつけるトウモロコシです。ワキシートウモロコシのデンプンは、アミロペクチンがほぼ100%を占めています(ワキシー形質といいます)。アミロペクチンは水と一緒に加熱すると強い粘りを示す性質があり、モチモチとした食感が特徴で、食用以外に、増粘剤や安定剤、接着剤の原料としても利用されています。
Wx遺伝子はアミロースの合成に必要な酵素を作る遺伝子です。この遺伝子に変異が入って働きを失うとアミロースが合成できず、デンプンがアミロペクチンのみからなるようになり、その結果ワキシー形質を示します。



 

 

参考リンク